プロフェッショナルの力を借りずに、酒類販売業免許を自力で取ることはできるのでしょうか。

「可能だが非常に困難」
というのが結論です。

酒類の販売業免許に関しては、多種多様な要件があります。

それら全てを「トータルで、厳格に」審査しますので、ちょっとした落ち度があるだけでも免許が取得できなくなります。

ちなみ、これに関して税務署に相談しても、
ハッキリとした答え(これなら取得できますよ、○○を補えば取得できますよ、など)が得られることはまずありません。
なぜなら、単純に「申請書を元に審査しないと分からないから」です。
それから、「取れると言い切ったのに、落ちるとトラブルに発展する恐れがある」というのも理由の一つです。

また、審査期間もかなり長いです。

申請書を提出してから、結果が出るまでには60日前後要します。
しかも、審査中に「抜けがあるので、○○の資料も出してください」などと指摘されたら、その対応が済むまで審査が中断されてしまいます。
さらに「申請までの用意」そのものにも半月以上かかると思った方が良いです。

さらに「審査スタッフと渡り合うための対話能力」も欠かせません。
審査の中で、審査スタッフに追加資料を要求されたり、質問が出たりする場合もあります。
簡単に対応可能なものであるケースもありますが、非常に難しいことを求められる確率もゼロではありません。

そのため事前に十二分に手引き(基準)を把握しておいて、何を言われても「私の場合は○○ですから大丈夫ですよね」と返せるようにしておかなければなりません。

「交渉力」「会話力」も必要

また、揺るぎない知識を得ておくことも大事ですが、それを発信するだけの「交渉力」「会話力」も欠かせません。

ちなみに、審査スタッフの中にも「基準」や「法律」をしっかりと理解していない人がいないわけではありません。その場合は予想外の質問が飛んでくるかもしれませんので、「法律ではこうなっています」と冷静に回答するようにしましょう。

このような事情がありますので、酒類販売業免許を自力で取るのはやはり大変困難であると言わざるを得ません。
ここまで解説してきたことを完璧にこなせばもちろん取得できますが、そのためには並々ならぬ努力と注意が必要です。

そのため、酒類販売業免許を取りたいのであれば、行政書士などのプロフェッショナルに相談しつつ進めていくことをおすすめします。
もちろんお金はかかりますが、「自力で酒類販売業免許を取る場合の労力」を考えれば決して高額ではないと思います。