お酒の免許がなく、自宅に置いてあるお酒をネットで転売は違法なのか?

自宅に置いてある酒をネットで転売するケース

ネット等でのフリーマーケットや転売サイトで、ネット転売が誰でも気軽にできるようになった現代、自宅に置いてある酒をネットで転売するにはどのようなケースがあるのでしょうか。
例えば、誰かに貰ったり、景品で引き当てたりしたものの、その人が酒を飲まない人だった場合には、ネットで売ってしまえ、と思うことがあるかもしれません。
このようなケースにおいてネットで酒を転売することは違法となってしまうのでしょうか?

転売の回数にかかわりなく、「業」として転売する意思がなければ違反ではない

「酒類販売業」の解釈としては、「酒類を継続的に販売することをいい、営利を目的とするかどうか又は特定若しくは不特定の者に販売するかどうかは問わない」と規定されています。(酒税法第9条1項、同法法令解釈通達第9条1項関係の1)

従って、「継続的に」の解釈は重要になりますが、この「継続的」は当該者の意思の問題と解釈されています。則ち1回なら良くて、2回以上はダメ=販売業免許が必要、という解釈でなく、例えば酒類の販売行為が年間で数回に及んだとしても、継続的に行うという意思が無ければ差し支えなし、という結論になります。

一方で、1回だけの販売であっても、継続的に販売を行う意思があったところ、税務当局の調査等により中断したような場合には無免許販売になります。
そのため、「人から貰ったり景品で貰ったりした酒を転売したい」というケースでは、たまたまその転売行為が数次に及んだとしても酒類販売業免許上は問題はないということになります。

継続的に無免許で転売してしまった場合の罰則

酒税法第56条では、無免許で酒類を販売した場合の罰則を「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定めています。これは税務当局から告発を受け、裁判所から判決を受けた場合の刑罰です。

一方で、無免許での酒類の販売が発覚しても、税務署へ申述書(始末書)などを提出することにより、寛大な処分で済む場合もあり得ますが、それとは別に酒税法第56条2項、国税通則法第157条1項により、その販売場にあったすべての酒類を没収されてしまうことは散見されます。
過去にも、法人だけでなく個人でも無免許で「業」として酒を転売したことにより罰せられた事例が数えきれない程起きています。