酒類販売業免許の条件緩和とは何?必要な時と注意事項について
条件緩和申出とは?
現在、酒販事業を行っている方で、「今後は指定されている品目以外の酒類を販売したい」、「指定されている販売方法以外で酒類を販売したい」場合は、条件緩和の申出を行う必要があります。申出した後、審査が行われて許可通知があった場合には、その通知後に当該条件緩和に沿った販売業を行うことが可能となります。
指定されている品目以外の酒類を販売したい場合
酒販免許には、販売することができる酒類の品目があらかじめ決められている場合もあります。酒税法上の品目である「清酒」、「ビール」、「果実酒」、「ウイスキー」などが挙げられますが、“一般酒類小売業免許”では、産地は国内外を問わず通常はすべての酒類を販売することができます。
一方で、“通信販売酒類小売業免許”は販売できる酒類の品目が当初から限定されています。当初は販売が限定されている酒類の品目でも、条件緩和申出を行い要件が満たされていれば、他の品目も通信販売を行うことが可能になるのです。
指定されている販売方法以外の方法で酒類を販売したい場合
酒販売は、店頭小売販売を行うか通信販売を行うかで、必要となる免許が異なります。現在取得している免許で、販売可能な方法以外の方法を今後行いたいと考えている場合は、必要となる免許を追加で取得する必要があります。
例えば、「品目毎の年間課税移出数量が3000kl未満のメーカーが製造したもの」で事業拡大の計画により、仕入れの取引承諾書が整ったような場合は条件緩和申出が有効です。
場合によっては条件緩和の申出が不要な場合もある通信販売の輸入酒類は、品目の指定が元々されていないことも多いので、品目を追加するために行う条件緩和申出は必要ない場合がほとんどです。
条件緩和申出の際の注意事項
条件緩和は、事業の決算状況に関係なく申出を行うことができます。酒類免許を新規申請する場合には、直近の決算状況も審査されますが、条件緩和の申出の場合は仮に債務超過となっていても他の要件を満たしていれば手続きを行うことが可能です。
しかし、国税や地方税などの法令により通告処分を受けた場合などは例外です。国税や地方税の要件は満たしておく必要があるので、納税は必ず適正に行っておきましょう。
また、条件緩和の申出は、2年以上にわたって、お酒の販売業を休止していないことが必須条件です。長期間酒類の販売業を行わず、新たに営業を再開する場合は、条件緩和申出に必要な条件を満たしていない可能性が高いので、事前に確認するようにしましょう。