古物商でお酒を売買できる??
リサイクル意識の高まりから個人間での中古品の売買や“古物商免許”が注目されています。
身近な例では、個人間売買アプリやネットオークションがあります。
街のリサイクルショップ店を見ると、ゴルフクラブ、子ども服、食器や家電製品など趣味のものから生活必需品まで様々な商品(中古品)が売られています。
では酒類全般、例えばビンテージワイン、人気が高く入手困難な日本酒などのお酒はリサイクルショップや個人間売買サイトで販売できるのでしょうか?
“古物商免許”と酒類販売の免許の二つの観点からお酒の売買についてご紹介します。
(中古の)お酒を売買するために古物商免許は必要?
お酒を売買(販売)するためには、“酒類販売業免許”が必要です。
例えば、コンビニはお酒の販売をするために、コンビニのオーナーが「一般酒類小売業免許」を取得しています。
この免許がないと、店舗(酒税法上は「販売場」と定義されます)でお酒の販売はできません。
では、古物商免許(古物商許可)はどうでしょうか?
古物商許可には、取扱い品目“13分類”が規定されていますが、これにはお酒をはじめとした飲食料物は含まれていません。従って、結論を言えばお酒を売買するために古物商免許(古物商許可)は必要ありません。
それでは個人間売買サイト(オークションサイト)はどういう取扱いになるの?
実際、売買サイトでは日本酒、焼酎、高級ウィスキーなどが売られています。
これは酒税法違反では?
実は、お酒の免許は“酒類製造免許”と“酒類販売業免許”に大別されますが、お酒の販売に必要な免許には「業」という一語が入っています。
これは、「酒類を継続的に販売することをいい、営利を目的とするかどうか又は特定若しくは不特定の者に販売するかどうかは問わない。」とされています。(酒税法第9条1項、同法令解釈通達第9条1項関係の1)
従って、この「“業”として」ということに該当しなければ、酒類販売業免許は必要ないということになります。例えば、お歳暮でいただいた高級ウイスキーをネットオークションで販売しても、これはたまたまの行為であり販売業とは認められません。それでは、どのくらいの頻度や量であれば販売業になるのか、というと一概には言えませんが、頻度や量の他に全体的な入手経路等から判定されることにはなるでしょう。税務当局には、ネット販売等を副業としている者の所得逃れを防ぐために情報収集する部署もありますので、あまりに回数が多い場合には事前に税務署等に問合せる方法もあるでしょう。
そして、お酒の販売には、通常は、「一般酒類小売業免許」や「通信販売酒類小売業免許」が必要な免許ということになりますが、以上の通り、古物商免許(古物商許可)とは解釈や取扱いの重複する部分がない別の免許制度、ということが答えとなります。